(8日、高校野球 金足農5―1鹿児島実)
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鹿児島実応援団の今年の目玉は、テレビドラマでブレークした「西郷どん」のテーマ曲だ。鹿児島大会では演奏しなかったが、全国に鹿児島の存在をアピールしようと、この甲子園から採り入れた。
打席には4番西竜我。「演奏してくれることは知っていたけど、打席では集中していて聞こえなかった」。一回、2死二塁と先制の好機に高めのつり球を振ってしまい、三振に倒れた。
金足農の右腕吉田の直球は、ビデオで見た以上の伸びだった。「手元で上に上がる。あんな球、見たことない」。西だけでなく、多くの仲間が高めに大きく外れる140キロ台後半の速球にバットが止まらず、三振の山を築かれた。
だが自分は4番。やられてばかりはいられない。六回、148キロの速球を振り抜いて、左中間二塁打。「直前が緩い球だったので、真っすぐにヤマを張って、思いっきり振りました」。八回にも中前安打。「三振の借りは返せた。好投手との勝負を楽しめました」
吉田から14三振を喫したチームは、八回に1点を返したものの、1―5で敗れた。創部100周年の今年、西郷どんのように全国でブレークすることは出来なかった。でも、プロも注目する好投手から放った2安打は自信になる。「来年は社会人に進み、プロを目指したい」。西郷どんにはなれなかったけど、西の野球人生は続く。(平井隆介)