横浜市神奈川区の大口病院で2016年、入院患者の男性2人(いずれも当時88)が相次いで中毒死した事件で、神奈川県警は18日、別の入院患者の女性(当時78)も殺害したとして、同病院の当時の看護師久保木愛弓(あゆみ)容疑者(31)=同市鶴見区=を3人目の殺人の容疑で再逮捕し発表した。容疑を認めているという。逮捕はこれで3回目。
捜査1課などによると、久保木容疑者は日勤だった16年9月15日午前7時45分~午後5時半ごろ、点滴に消毒液を混入。翌16日午前に別の看護師からこの点滴を投与された興津朝江さん=同市神奈川区=を、同日午後1時40分ごろに中毒死させ、殺害した疑いがある。
久保木容疑者は、ほぼ寝たきり状態だった男性2人の殺害について、これまで「自分の勤務中に亡くなったときの説明に家族が納得してくれるか不安だった」と供述。県警は、自分の勤務時間外に死亡するよう消毒液を混ぜたとみている。
興津さんはひざのけがによる入院で、日常生活に支障はなかったが、久保木容疑者は今回も「家族への説明」を動機としてほのめかしているという。県警は慎重に解明を進める。(山下寛久)
「はじめからおかしいと思っていた」
久保木容疑者が再逮捕されたことを受け、興津さんの姉は18日、代理人の弁護士を通じてコメントを出した。全文は以下の通り。
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足をけがして入院しただけで前日まで元気だったのに、なぜ突然亡くなってしまったのか、はじめからおかしいと思っていました。今後は警察の捜査を待ちたいと思います。
■大口病院の中毒死事件をめぐる…