陸上自衛隊最大の実弾訓練「富士総合火力演習」が26日、静岡県の東富士演習場で公開された。富士山の裾野を離島に見立て、陸自が強化している離島防衛の能力をアピールした。
演習には3月に新設された離島奪回部隊「水陸機動団」が参加。最新装備の水陸両用車(AAV7)や16式機動戦闘車(16MCV)が射撃を披露した。シナリオ上、レーダーや無線通信をめぐる攻防「電子戦」が初めて取り入れられ、相手の通信を妨害するネットワーク電子戦システム(NEWS)を載せた車両も登場した。防衛省が年末に向けて見直す「防衛計画の大綱(防衛大綱)」で重視する電子戦や宇宙・サイバー分野を踏まえた内容となった。
演習には隊員約2400人、戦車・装甲車約80両、火砲約60門、ヘリや戦闘機約20機が参加した。予算は弾薬約5億円を含む約6億円。約28倍の抽選でチケットを得た人たちを含む約2万4千人(主催者発表)が観客席から見学し、小野寺五典防衛相も会場で視察した。(古城博隆)