6月の大阪北部地震で大阪府高槻市の小学校のブロック塀が倒れ、小学4年の女児(9)が死亡した事故で、塀に隣接するプールが解体されることになった。高槻市の浜田剛史市長が30日の記者会見で明らかにした。約2億円をかけて校庭の別の場所へ造り替える。
6月18日の地震では、市立寿栄(じゅえい)小学校の塀が倒れ、登校中の女児が下敷きになって死亡した。プールの基礎部分(高さ1・9メートル)の上に1・6メートルのブロックを積み上げた造りで、通学路に面したプールの目隠し代わりになっていた。1・2メートルを超えるブロック塀に補強用の「控え壁」の設置などを義務づけた建築基準法施行令に違反していた。
地震の影響でプールを支える擁壁も傾き、寿栄小はプールの授業を中止。高槻市は改修を検討したが、校門に近く、浜田市長は「児童の心理に配慮した」と理由を説明した。年内にも解体を始め、来夏までに新しいプールを設ける。
高槻市は倒れた塀を別の施設に移転し、有識者による第三者委員会が倒れた原因などを検証している。寿栄小を含め、市内計31小中学校のブロック塀の撤去を夏休み中に完了した。
事故を機に、文部科学省は全国の国公私立の小中高校など約5万校の塀を点検。安全性に問題のある塀が約1万2千校にあることが判明した。(室矢英樹)