北朝鮮で拘束されていた日本人観光客の男性が解放され、28日午前、航空機で北京に到着したことがわかった。日本外務省幹部が同日明らかにした。同日中に帰国する見通し。この男性は、北朝鮮の朝鮮中央通信が26日に漢字名を「杉本倫孝」氏と伝え、国外追放すると報じていたスギモト・トモユキ氏とみられる。
日本政府関係者によると、男性は今月、海外の旅行会社が企画したツアーに参加し、北朝鮮西部の南浦(ナムポ)で拘束された。
日本政府は北京の日本大使館ルートを通じて情報収集と釈放に向けた交渉を続けていたが、朝鮮中央通信が26日夜、25日付の発表として「北朝鮮の法律に違反する犯罪を働いた」と拘束していることを公表。「人道主義の原則に従って寛大に許し、国外に追放することにした」と報じた。北朝鮮側は、この男性が日本政府とは無関係と判断し、国外追放の判断をしたとみられる。
外務省幹部によると、北京に着いた男性の健康状態は「良好」だという。日本政府関係者によると、男性は28日中に帰国する予定で、帰国後、政府が北朝鮮側に拘束された際の状況などを聴取する方針だ。