本気で自殺を考えた人の67%は、1年後の調査でも同じ気持ちを抱き続けている。そんな調査結果を、日本財団が13日に公表した。自殺未遂をした人の55%が繰り返していたとの結果も出たという。調査に携わった専門家は継続的な支援体制の必要性を訴えている。
日本財団は2016年8月、全国の20歳以上の男女を対象に自殺に関する意識調査を実施。調査会社に登録されているモニターを対象に、インターネットで行った。得られた約4万人の回答を分析し「25%が過去に本気で自殺を考えたことがある」と発表した。今回は17年7月、16年調査の回答者に質問する「追跡調査」を行い、2万1142人の回答を分析した。
16年調査で「1年以内に本気で自殺を考えた」と回答したのは3%。その中で17年調査に応じた人の67%が、再び「1年以内に本気で自殺を考えた」と回答した。同様に16年調査で「1年以内に自殺未遂をした」とした人のうち、55%が今回も過去1年以内に自殺未遂をしたと答えたという。
調査の中心を担った世界平和研究所の高橋義明主任研究員は「一度自殺を本気で考えると、その気持ちは簡単には消えない。一人一人の事情を踏まえた継続的な支援が求められる」と話す。報告書では、小さな問題でも相談できるような人間関係づくりへの支援が必要だとしている。(佐藤啓介)