市販薬(一般用医薬品)を扱うインターネットサイトの6割で、乱用の恐れがあるせき止めなどの薬が、不適切な方法で販売されていたことが厚生労働省の昨年度の調査でわかった。実店舗でも4割近くあり、いずれも調査を始めた2014年度以降で、最も高い割合だった。
17年11~12月、薬を販売する507のサイトを対象に、厚労省が委託した民間会社の調査員が実際に購入して調べた。店舗は、全国5017の薬局・ドラッグストアを訪れて実施した。
医薬品医療機器法施行規則は、乱用の恐れがある医薬品は、原則一度に一つしか購入できないと定める。だが63%のサイトでは、理由などを質問されずに複数購入できた。割合は前年度より9ポイント上昇していた。また、副作用のリスクが高い第1類を販売するサイトのうち、24%は同法が義務づける副作用の情報提供をしていなかった。
薬のネット販売は、14年6月に解禁され、18年7月末時点で約1900のサイトが届け出ている。不適切な販売状況があれば、自治体が指導してきた。厚労省は改善のため、今年度中には指導後の結果報告も自治体に求めることにしている。(姫野直行)