9月に入り、高校生、大学生がプロ野球のドラフト会議で指名されるためのプロ志望届の提出が始まっている。高校生では、早稲田実(東京)で清宮幸太郎(日本ハム)とともに中軸を打った野村大樹(18)も10日に提出。12日に報道陣の取材に応じ、「大学かプロかを決めるときに、小さい頃からの夢だったプロに行きたい気持ちが強くなった。自分を必要としてくれる球団であればどこでもお世話になりたいです」と語った。
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早稲田実の生徒は早大へほぼ進学できる状況下にある。野村も早稲田実に入学した当初は早大でも野球をすることが目標だった。
しかし、今夏の西東京大会で敗退した後、両親と話し合いを繰り返した。両親からは「ケガをしてクビになることもあるし、セカンドキャリアを考えれば大学を出た方がいい」と言われたという。
野村も考えに考えた。この日の取材では、「それなりの覚悟はあります。プロに行けるチャンスを逃したくない。迷ったうえで野球に集中できる環境はプロだと思った。両親は最後は快く背中を押してくれました」と答えた。一緒にプレーした清宮の存在も大きい。野村は「立場は違いますけど、影響は多少なりにあります」と話した。
元々捕手だったが、今夏は三塁を守り、高校通算68本塁打の打力で注目されてきた。ただ、身長172センチ、82キロとプロ野球選手になるならば決して大きな体ではない。それでも、野村は「体は大きくないですけど、道具を使って打つので気にしていない」と言う。早稲田実の和泉実監督は「野球は分かっていて、多少の時間はかかっても色々こなせる選手。アメリカに行くって言ったらびっくりですけど、本人の気持ちですし、尊重したい」と話した。
運命のドラフト会議は10月25日にやってくる。(坂名信行)