年間2万人以上が自殺で命を絶つ日本。身近な人を自殺で失った心の痛みを抱えながら、全国の自殺願望者の心に寄り添う活動をする僧侶の根本一徹さん(46)を、米国人の女性監督が追ったドキュメンタリー「いのちの深呼吸」が8日から全国各地で順次公開される。
「死にたい」「消えたい」。全国から救いを求めるメールや電話が昼夜を問わずに届く。その声一つ一つに一人で応えている根本さんは、岐阜県関市の大禅寺の住職だ。2004年から自殺防止の活動を独自で始めた。
根本さんの対応は型にはまっていない。深夜にバイクを走らせて話をききにいったり、時には一緒にお酒を共にしたりすることも。電話越しに「消えた方がいいと思います」とつぶやく男性には「死んでる場合じゃねえぞ」と力強く返す一方で、言葉を失い涙ぐむ女性には「ちょっとずつ良くなっていく方法を探していこうよ」と優しく声をかける。
その地道で独自な活動が日本の…