野球の高校日本代表は、国際大会にどう臨み、どう戦っていくべきか。それを考えるプロジェクトチーム(PT)が、日本高校野球連盟に発足することになった。19日にあった会議で、設置が決まった。
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「世界一になるために、以前から検討していた」と日本高野連の竹中雅彦事務局長。急に実現に動き出したきっかけは、9月3日から宮崎市内で開かれたU18(18歳以下)アジア選手権で日本が喫した2敗だろう。
連覇を目標に掲げて挑んだが、韓国、台湾に敗れて3位に終わった。いずれの試合も1得点どまり。打者は木製バットや国際基準のストライクゾーンへの対応に苦しみ、走者はボークの基準が甘いアジアの牽制(けんせい)に悩まされて機動力を生かせなかった。日本が毎年のように直面する技術的な課題が、改めて浮き彫りとなった。
また、大会への準備期間が短いことも日本にとっては難題だ。永田裕治監督は「言い訳にはならない」としたが、チーム作りが本格化するのは、夏の甲子園が終わってから。今回は招集から開幕まで9日間しかなかった。選手たちは木製バットへの順応で精いっぱいになり、バントや細かい戦術を磨く時間は限られていた。
日本が力を出し切れなかった一方で、韓国、台湾は小技を絡めた攻撃や隙のない守備を見せて決勝まで進んだ。永田監督は大会を振り返り、「(韓国、台湾は)野球が細かくなっている。だいぶ早く代表チームを作って練習してきたとも聞いた。アジアのレベルが上がっている」と危機感を募らせていた。
次に日本が挑む世界大会は、来年に韓国で開かれるU18ワールドカップ(W杯)だ。あと1年。日本が抱える多くの課題に、PTはどういった打開策を用意できるのか。竹中事務局長は「人選や課題の洗い直しなど、具体的な内容をこれから検討していく」と言い、10月にも始動させる方針を示した。(小俣勇貴)