(7日、野球のU18アジア選手権、日本1―3台湾)
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打てないのなら足を使う。球数を投げさせる――。日本はやりたかった野球をできなかった。
例えば、2点を追う六回の攻撃。1番から始まる好打順で、藤原が三ゴロに倒れた。続く小園は一ゴロ、根尾は遊飛で、ともに初球を打ち損じた。この回わずか6球。「狙った球がきたけど、とらえきれなかった」と小園は振り返る。俊足の左打者3人が、三者凡退のイニングを3度作った。
5安打に終わった2日前の韓国戦から打順を組み替え、藤原、小園という昨夏のW杯と同じ1、2番で挑んだ。「2人には期待していたんですけどね……」と永田監督。打線はわずか2安打。五回以降は走者を出せず、足を使う場面もないまま相手の先発左腕に102球で完投を許した。
逆に台湾は試合巧者に見えた。日本は同点に追いついた直後の四回、エース格の吉田を投入した。試合の流れがうつろう場面で台湾はきっちり1点を取りにきた。1死一塁から犠打で送り、7番打者が粘って四球を選ぶ。後続の左翼線適時打とバント内野安打で2点をもぎとった。勝負どころで、チームのビジョンと行動が一致していた。
日本は守備でも2失策。持ち味を出せず、逆にやりたいことを相手にやられ、2連覇の夢は絶たれた。(小俣勇貴)