野球のU18(18歳以下)アジア選手権で3位となった高校日本代表は11日、宮崎市内の宿舎で解団式を開いた。目標だった連覇を逃した永田監督は、「アジアの野球は細かく緻密(ちみつ)になっている」と感想を語った。
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今夏の代表チームは、春夏連覇を果たした大阪桐蔭の5選手を中心に、「最強世代」の呼び声が高かった。しかし、1次リーグでは韓国、2次リーグで台湾に、いずれも1―3で敗戦。日本がやりたかった野球を、相手にやられた。
いずれも敗戦投手となったエース格の吉田(金足農)は最初のイニングで四球を与え、失点。昨夏のU18W杯でも主力だった遊撃の小園(報徳学園)も計4失策と、守備でリズムを作れなかった。逆に韓国の投手陣は四球を出しても粘って最少失点に。台湾は無失策で隙を見せなかった。
攻撃でも日本が「結果を求めて当てにいっていた」(永田監督)と貧打で手詰まりになる一方で、韓国、台湾はバントや小技を使い、好機を広げていった。
2敗後の8日に激励に訪れた横浜の渡辺元智前監督の言葉が、来年のW杯に向けた教訓になる。「基本(練習)をもう一回やったほうがいい。野球を変えるわけじゃない」。国際大会はひとつのミスが命取り。木製バットや国外基準のストライクゾーン、今大会から導入された球数制限――。夏の甲子園が終わった直後に集まる急造の日本には慣れなければならないものは多いが、原点を忘れないことも不可欠だ。(小俣勇貴)