不法滞在の外国人の収容の長期化は、収容者が自殺する事態にもなった。法務省は「気の毒な境遇の収容者もいるが、ルールはルール」との立場だが、専門家からは、難民申請者らに対する日本の姿勢の問題を指摘する声も出ている。
不法滞在の外国人、収容が長期化 半年以上が700人超
茨城県牛久市郊外にある法務省の東日本入国管理センターには7月末の時点で、収容期間が6カ月以上になる男性が約330人暮らす。出身は約40カ国。全員が、日本政府から退去を命じられている。
インド北西部パンジャブ州出身のディーパク・クマールさん(当時31)もその一人だった。だが、4月13日、シャワー室で自殺した。
極貧家庭の5人きょうだいの末っ子。家族らによると、インドでは靴職人として働いたが、月収は家族7人で計7千~8千ルピー(1万2千円程度)。同州の1人あたりの平均月収すら下回る。家計を助けるため金融会社でも働いたところ、借金を肩代わりする羽目になった。「殺す」と脅され、身を守るために2017年4月、「安全」と聞いた日本へやってきた。
だが、ビザは短期滞在しか認められない「乗り継ぎ」名目。不法滞在を理由に17年7月、東京入管に収容された。「インドに戻れば殺される」と、帰国は拒否。難民認定を申請したが、結果は不認定。センターの外に出られる仮放免の申請も認められなかった。
命を絶ったのは、仮放免不許可…