サントリービールは、高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」の年内の販売戦略を発表した。「泡」に注力したプロモーションをさらに強化し、「ハレの日」以外にも飲んでもらえるビールにしたい考えだ。

同社は、こだわった注ぎ方でつくるクリーミーな泡を「神泡（かみあわ）」と呼ぶ。「神泡のプレモル」をアピールするため、缶のパック商品などに付ける神泡がつくれる家庭用サーバーの配布数を、年初計画の２５０万個から５５０万個に増やす。

また、同社が定めるたるの管理方法やビールの注ぎ方で神泡を提供する飲食店を、昨年の１万３千店から、今年は３倍近くの３万５千店まで増やすという。

同社の推定によると、今年１～９月のビール市場（出荷数量）は前年同期比で９５％だったが、プレモルは家庭向けの缶の出荷が夏場に伸びて前年並みを維持する。高級ビールとしてハレの日に飲まれるイメージが強いが、今夏は盆や父の日といったハレの日がない「通常週」で出荷数が前年を上回っているという。

山田賢治社長は「神泡で、特別でないときでも飲みたいビールに変化した」と自信を示す。

アサヒビールも、「スーパードライ」の醸造過程を改善し、ビールの泡持ちを向上させた製品を４月から出荷している。（長橋亮文）