経営統合を目指していた回転ずし最大手のスシローグローバルホールディングス(GHD)と同5位の元気寿司(ずし)は18日、統合を断念すると発表した。国内店のブランドや海外への出店戦略をめぐり、折り合えなかった。
スシローと元気寿司、店舗「5年で倍増」 海外出店加速
元気寿司の親会社である米卸最大手の神明ホールディングスと、スシローGHDの資本業務提携も同日付で解消する。国内で強いスシローと、海外の店舗展開で先行する元気は、2017年から経営統合に向けた協議を進めてきた。
海外展開では、元気が195店舗と、16店舗のスシローに大きく水をあけている。元気は従来どおり、フランチャイズでの出店を進めると主張した。市場に詳しい現地企業と協力した方が、持続的に経営できると考えるためだ。
一方でスシローは、品質管理を徹底するためだとして直営を主張。意見の溝が埋まらなかった。店舗名を統一するかどうかも合意できなかった。また、国内店舗で商品を提供するやり方でも、意見が分かれていたという。
神明は、元気寿司を軸に外食を伸ばす戦略を立て、13~14年には「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイトホールディングス(現カッパ・クリエイト)との統合を目指した。だが、企業体質の違いを理由に破談となった。(橋本拓樹 橋本拓樹)
回転ずしチェーンの売上高
1 スシロー(スシローグローバルホールディングス) 1748億円(18年9月期)
2 くら寿司 1324億円(18年10月期)
3 はま寿司 1185億円(18年3月期)
4 かっぱ寿司(カッパ・クリエイト) 761億円(19年3月期)
5 元気寿司 420億円(19年3月期)
(各社の決算書などから)
■回転ずし業界、厳しい…