経団連の指針で企業が学生に正式な内定を出せる10月1日、名古屋三越が名古屋市中区の栄店で内定式を開いた。総合職として来春入社予定の学生6人が参加し、笠原慶弘社長から内定通知書を受け取った。
笠原氏は、ネット通販や大型商業施設などの競争相手が増えているとして、「変化に先回りして対応することが大切だ。名古屋三越を新しくする原動力になってほしい」と話した。学生らは一人ずつ、「売り場の雰囲気や接客といった上質なサービスを届けたい」「お客様が心躍るような斬新な催事を企画したい」と決意を述べた。
例年は多くの企業がこの日に内定式を開くが、今年は台風24号の影響で、中止や延期を決めた企業も目立った。東海地方ではアルペン、メニコン、フジパン(いずれも名古屋市)が内定式を延期した。リクルートキャリアによると、9月1日時点での大学生の就職内定率は91・6%で、前年同月より3・2ポイント高かった。
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九州でも各企業が来春入社予定の学生を集めて内定式を開いた。今年は台風24号の影響で予定通り実施できた企業は少なく、中止や延期が相次いだ。
JR九州が1日午前に本社のある福岡市で開いた式には、内定者104人が出席した。九州大大学院2年の吉田悠次郎さん(24)は「九州のさらなる発展、地域の元気のために努めます」と答辞を読み上げた。遠方から来る学生に配慮し開始を30分遅らせたが、関東や北陸の学生3人は交通機関の乱れで欠席した。
1日午後には西日本シティ銀行(福岡市)、九電工(同)、安川電機(北九州市)などでも開く。
一方、九州電力(福岡市)は中止を決定し、TOTO(北九州市)もこの日は取りやめた。航空会社スターフライヤー(同)は11月19日に延期する。