三重県鈴鹿市のJR関西線で、警報機と遮断機がない「第4種踏切」を渡ろうとした男性が列車にはねられて死亡する事故があり、国の運輸安全委員会は、JR東海などに踏切の廃止を検討するよう求める調査報告書を公表した。
事故があったのは、鈴鹿市庄野町の坊主山踏切。報告書などによると、今年1月16日午前6時55分ごろ、近くの会社員男性(当時50)が原付きバイクで進入し、亀山発名古屋行きの区間快速列車(4両編成)にはねられて死亡した。現場は丘状の地形でカーブになっており、当時は線路脇に草が茂っていた。運輸安全委が踏切の見通しを調べたところ、列車が見え始めるのは通過の2・5秒前で、カーブミラーでも7秒前だったという。
運輸安全委は「第4種踏切は廃止または踏切保安設備を整備すべきだ」と指摘。坊主山踏切は利用者も少ないことから、JR東海や道路管理者、近隣住民らが協議して廃止を検討するのが望ましいと結論づけた。廃止が困難な場合には設備の向上を検討するよう求めた。
JR東海は「道路管理者である自治体と引き続き協議を継続していくほか、踏切を安全に通行していただくよう啓発活動をしていく」とコメントした。(三浦惇平)