業績不振が続く大塚家具が、金融機関などの保有株式の一部を7~9月に売却していたことがわかった。売却総額は少なくとも数億円とみられる。手元の現預金が減少し、資金繰りが厳しくなっており、当面の運転資金にあてる狙いがあるとみられる。
大塚家具は2017年末時点で、三井住友フィナンシャルグループ(FG)、みずほFGなどの金融機関や西武ホールディングスなど約10銘柄の株式を保有。保有株式のうち1銘柄の売却益3億5900万円を18年7~9月期に計上することを8月に公表している。7~9月に他の銘柄の売却も進めていた模様だ。
大塚家具は「保有株式の売却を進めているのは事実」(広報)としているが、売却した銘柄名は公表していない。株式の売却を進めている理由については、政策保有株式の削減を進め、「手元資金の充実をはかるため」(同)としている。
深刻な客離れが続く同社は8月、18年12月期通期の業績予想を下方修正。純損益が34億円の赤字となり、3年連続の赤字に陥る見通しになっている。8月に発表した18年6月中間期の決算短信に、企業としての存続に疑義が生じたことを示す「継続企業の前提に関する注記」を初めて記載。経営難が深刻化している。再建に向け、資本・業務提携している貸し会議室大手ティーケーピー(TKP)などと出資受け入れに向けた交渉中とみられるが、交渉は長引いている。(末崎毅)