武田薬品工業によるアイルランドの製薬大手シャイアーの巨額買収をめぐり、武田のOBや株主らでつくる「武田薬品の将来を考える会」は3日までに、クリストフ・ウェバー社長へ公開質問状を送った。武田は来年1月までに臨時株主総会を開いて買収への株主の同意を取り付ける方針。その前に経営陣の見解を改めてただし、買収への反対を広く株主に呼びかける材料にする狙いで、10月中の回答を求めている。
人も成長も外から…巨額買収の武田、日本勤務は今や3割
武田、新薬候補を取り込み リスク伴う巨額買収の狙いは
買収総額は約460億ポンド(約6・8兆円)で、日本企業による過去最大の買収案件となる。考える会は、シャイアーの買収が「武田の持続的成長に向けての唯一の手段とは思えない」と主張し、断固反対の立場を表明している。
質問状で「財務余力を考慮すれば、(買収の)失敗が即、会社の根幹を揺るがす規模」だと指摘。買収の可否を判断する材料として、買収に必要な借入金の返済計画や、買収後の1株あたりの利益予想を明らかにするよう要望し、買収案件に関する取締役会の議事録の開示を求めている。
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