外出中、スマートフォンで動画を見たりゲームをしたり。気づけばもう電池がない――。そんな時に頼りになるのが「モバイルバッテリー」です。災害など緊急時のアイテムとしても、存在感が高まっています。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
スマホから手軽に動画が視聴できるようになり、楽しめるゲームアプリも次々に登場している。通話やメール以外の用途が広がり、電池の「残量」を気にする人が増えた。ビックカメラなんば店(大阪市)の携帯電話コーナー担当の結城茉凛(ゆうきまりん)さんは「ガラケー(スマホ登場前の携帯電話)が一般的だった頃と違い、モバイルバッテリーは必須アイテムになっています」。
市場調査会社「シード・プランニング」によると、2018年のモバイルバッテリーの市場規模は約600億円で、5年前の2倍超になると予測される。かつては30~40代のサラリーマンが仕事用として買っていたが、10~20代の若い世代の購入が目立ってきた。
モバイルバッテリーには「充電タイプ」と「乾電池タイプ」の2種類がある。乾電池タイプは緊急時に活躍する。実際、大規模停電が起きた今月の台風21号や北海道地震の後、ビックカメラなんば店ではこのタイプが一気に売れたという。
もっとも、主流は何度でも使える充電タイプだ。選ぶ時のポイントは「容量」と「出力」。ミリアンペアアワー(mAh)で示される容量は、数字が大きいほど多く充電できる。出力も、数字が大きいほど充電するスピードが速くなる。
最近では、充電容量が大きいものでも手頃な価格で買えるようになった。デジタルカメラやワイヤレスヘッドホンなど、USB充電に対応する機器が増えたことで、端末2台を同時に充電できるタイプも充実。任天堂のゲーム機「ニンテンドースイッチ」や加熱式たばこ「アイコス」に対応するバッテリーも出ている。(中島嘉克)
「スイッチ」に最適、大容量
アンカー・ジャパンの「ニンテンドースイッチ エディション」は、スマホに加え、ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の充電に最適だという。バッテリーをフル充電しておけば、iPhone(アイフォーン)8は約4回分、スイッチは約1.7回分充電できる。1万3400mAhと大容量だが、サイズは片手ほど。6980円。
差し込み三つ、同時に充電
エレコムの「DE―M08―N10048」は、端末をさし込む部分が三つあるのが特徴だ。バッテリー本体を充電しながら、2台のスマホを同時に充電することもできる。容量は1万mAhで、フル充電しておけばスマホを約3.3回分充電できる。本体裏面はレザー調の加工。オープン価格。
かる~く カラフル8色
マクセルの「MPC―C6700P」は白や黒、ピンク、赤などの計8色をそろえ、カラーが豊富だ。光沢仕上げのデザインで、130gと軽量であることも特徴だ。容量は6700mAhで、フル充電しておけばスマホは約2回分充電できる。LEDによる4段階の残量表示。オープン価格。
発熱や液漏れ 防ぎます
ソニーの「CP―V5BA」は、使用時の発熱を抑えたり、液漏れを防いだりするなどの「安全設計」が売りだ。容量は5千mAhで、フル充電しておけばスマホは約2回分充電できる。購入してすぐに使えるように、あらかじめ充電してあるという。白や黒、ピンクなど計5色。オープン価格。
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主なメーカーの製品から選びました。価格は税込み
モバイルバッテリーの売れ筋ランキング
①マクセル MPC-TW5200 3280円
②エレコム DE-M04L-3200 2190円
③ソニー CP-V3B 1860円
④エレコム DE-M01L-6400 3160円
⑤アンカー・ジャパン アンカー パワーコア 13400 ニンテンドースイッチ エディション 6480円
※ビックカメラの8月の売れ筋ランキング。価格は税抜きで、9月12日時点の同社の販売価格(きりとりトレンド)