戦国大名の織田家ゆかりの「桃巌(とうがん)寺」(名古屋市千種区)の所有地の売却代金を着服したとして、愛知県警が、前住職の男(94)と同居の女(71)の2人を業務上横領容疑で名古屋地検に書類送検したことが、県警への取材でわかった。送検は9月5日付。
千種署によると、2人は共謀して2013年3月~14年9月、千種区内の寺所有の宅地2カ所(計約900平方メートル)を2億1400万円で無断で売却し、その一部を横領した疑いがある。横領した金は貴金属の購入に充てていたという。署は2人の認否を明らかにしていない。
名古屋国税局の税務調査で15年、2人の不正が発覚。寺側は16年3月に署に刑事告発したほか、2人を相手取り名古屋地裁に損害賠償請求訴訟を起こし、現在係争中。
桃巌寺は織田信長の父親信秀の菩提(ぼだい)寺で、信長の弟、信行が建立した。