東京地方裁判所の男性用トイレで裁判官を殴ったとして、警視庁は9日、自称千葉県柏市の無職、鎌田千絵容疑者(39)を暴行の疑いで現行犯逮捕した。丸の内署への取材で分かった。容疑を認め、「民事裁判の訴訟で不満があった」などと供述しており、署は事実関係を調べている。
署などによると、逮捕容疑は9日午前10時半ごろ、東京都千代田区霞が関1丁目の地裁13階の男性用トイレで、男性裁判官(38)の頭を杖のようなもので殴ったというもの。裁判官は軽傷とみられるという。
鎌田容疑者は11階の女性用トイレで警察官に取り押さえられた際、ワンピースの中に木製の杖を隠し、バッグに短髪のカツラやスーツを入れていた。日比谷公園のトイレでこれらに着替え、地裁内の裁判官の部屋の近くで待機していたと説明しているという。
地裁によると、被害に遭った裁判官は民事部に所属し、主に労働事件を担当しているという。