順天堂大(東京都)は18日、医学部入試をめぐって文部科学省から「不適切な疑いがある」と指摘を受けたとして、弁護士3人による第三者委員会(吉岡桂輔委員長)を設けて調査すると発表した。具体的な指摘内容は「個別事項は差し控える」としており、11月下旬以降に公表予定という。
文科省は東京医科大の入試不正をきっかけに、全国81大学の医学部医学科を対象に調査を実施している。順天堂大は当初、調査に不正を否定したが、その後の訪問調査で指摘を受けたという。文科省が9月に公表した大学別の男女合格率によると、順天堂大は過去6年間の平均で男子が9・16%に対し女子が5・50%で、81大学の中で最も差が大きかった。
柴山昌彦文科相は今月12日の会見で、複数の大学で不適切な入試が疑われると明らかにし、自主的な公表を求めた。順天堂大は現段階で指摘内容を公表しない理由について、全国医学部長病院長会議が入試規範の検討を始めていることを挙げ、「新たな規範に沿って検証するためだ」としている。規範は11月中旬をめどに提示される予定。現在の学内の規範について順天堂大は「募集要項に書いてあることだけだ」と答えた。
医学部入試をめぐっては東京医科大が女子や浪人回数の多い受験生を一律に不利に扱っていたことを認めているほか、昭和大が現役と1浪生に加点し、同窓生の親族を優先して合格させていたと公表している。(貞国聖子)