駅でスムーズに乗り換えるための最短ルートはどれ? 乗り換え案内アプリの舞台裏には、複雑な駅構内図を調べるプロがいます。
ヴァル研究所 交通データ開発部 三上雄平さん(31歳)
東京の恵比寿駅でJR山手線に乗り、渋谷駅で東京メトロ銀座線に乗り換えて表参道駅をめざす。待ち合わせに遅れそうだ。渋谷のホームは人混みに違いない。スムーズに乗り換えるには、恵比寿で何号車に乗ればよいだろうか――。都市部の電車で乗り継ぎが必要なとき、よくある悩みだ。
iPhoneに入れた乗り換え案内アプリ「駅すぱあと」で検索する。渋谷駅の表示の横に人が階段を上る絵のアイコンが登場。タップすると「4号車」に改札の表示が出た。渋谷で4号車から降りると目の前が改札で、スムーズに進めるという意味だ。
駅すぱあとを運営するヴァル研究所(東京都)で5年前から、この機能のデータ入力、更新を担当する。
駅すぱあとは、1988年にパソコン用ソフトとしてうまれた経路検索サービスの草分け的存在。スマホ全盛の時代になり、多くのライバルも台頭した。競うにはこうしたかゆいところに手の届く機能の充実が求められる。
データ集めの基本的なよりどころは駅の構内図だ。鉄道各社が利用者のためにウェブ上などで公開するものだが、これが一筋縄ではいかない。
例えば東京メトロ渋谷駅の構内…