豚コレラが岐阜市で発生したことなどを受け、高山市は11月1日からJR高山駅周辺4カ所に消毒用マットの設置を始めた。飛驒牛の産地として知られるが、市内には県内最大の養豚場がある。畜産農家から対策を求める声が上がり、設置を決めたという。
1日、JR高山駅前の東口に消毒液を含ませたマットが設置された。業者の担当者はマットに消毒液が染みこんでいるかを何度も確認。そばには「靴底消毒にご協力を」「足元にご注意を」と日本語、英語、中国語、韓国語で書かれた看板が置かれ、大きな荷物を持った観光客らが通り抜けていった。
市によると、消毒用マットの公共施設での設置は県内初という。設置されたのは、高山駅の東口と西口、隣接する高山濃飛バスセンターの降車口2カ所にマットを置いた。来年3月まで継続する。
市内には飛驒牛の農場のほか、県内最大の養豚場がある。マット設置は、生産者から対策を求める声を受けたものだ。また、観光都市の高山には、外国人を含め、多くの観光客が訪れる。豚コレラだけでなく、口蹄疫(こうていえき)や鳥インフルエンザを心配する畜産農家からの強い要望もあり、市が対策を決めたという。
9月に岐阜市で発生した豚コレラについては、野生のイノシシへの感染が確認されており、県によると、10月31日時点で40頭に上るという。(山下周平)