岐阜県は7日、同県山県(やまがた)市の養豚場の豚から家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の陽性反応が出たと発表した。豚1296頭を全頭殺処分する。県内の施設での発生は11カ所目。山県市内では野生イノシシへの感染が確認されていたが、養豚場では初めて。
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県は同日午前9時から家畜伝染病防疫対策本部員会議を開いて対応を協議した。県によると、6日午後、養豚場から「母豚3~4頭の食欲が落ちている」と報告があった。県の遺伝子検査(PCR検査)で7日早朝、8頭から陽性反応が確認された。養豚場は、2月15日に国が飼養衛生管理基準について現地指導した際、チェック項目全てで最高の「A評価」を受けていたという。
県は8日までに豚を殺処分し、10日までに埋却や施設の消毒を終える予定。発生農場から半径3キロ圏内の移動制限区域には2施設(計3301頭)、半径10キロ圏内の搬出制限区域には5施設(計1万891頭)があり、豚の移動などが制限される。山県市は岐阜市北部に隣接している。
県内では野生のイノシシにも感染が広がっており、これまでに206頭の感染が確認されている。
豚コレラは、人には感染せず、感染した豚の肉を食べても健康への影響はない。(室田賢、板倉吉延)