岐阜県は9日、同県恵那市の養豚場の豚から家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の陽性反応が出たと発表した。県内施設での感染確認は14カ所目で、飼育されていた豚約4千頭は、すべて殺処分される。
特集:豚コレラ
この養豚場は5日、名古屋市中央卸売市場南部市場(同市港区)に豚57頭を出荷しており、岐阜県は愛知県に報告した。豚コレラは人には感染せず、感染した豚の肉を食べても健康への影響はない。
岐阜県によると、8日午前に養豚場から「高熱の豚が数頭、チアノーゼの豚が3頭いる」と県に連絡があった。県の遺伝子検査(PCR検査)で9日朝、豚14頭から陽性反応が確認された。県は11日までに殺処分、13日までに埋却や施設の消毒を終える予定。豚の移動などは制限される。
国は3月6日に、今回感染が確認された恵那市の養豚場で飼養衛生管理基準の現地指導を実施し、石灰散布の拡大を指示。同月27日時点で改善されていたという。
岐阜県内では3月23日に山県市、同月30日に美濃加茂市で豚コレラの発生が確認されており、約1週間に1回ペースで養豚場の豚が殺処分されている。