欧州最大の木造建築とされる建物が、崩壊の危機に直面している。もともと100年以上前にカジノつき高級ホテルとして建てられたが、わけあって孤児院に。50年以上前に閉鎖され、今は廃虚だ。関係者は「祖先からの貴重な遺産を子孫に引き継ぎたい」と、修復に向けて動き出した。
建物は、トルコの最大都市イスタンブール沖のビュユック島に立つ。今年、文化遺産保護のNGO「ヨーロッパ・ノストラ」から、「欧州の七つの危機遺産」の一つに指定された。
1階部分が幅約105メートル、奥行き約35メートルで、高さ約25メートル。ノストラによると、木造建築としては欧州で最大、世界でも有数の大きさだという。
トルコのマルマラ海に浮かぶビュユック島は1900年代初頭、欧州からの旅行者でにぎわった。建物は1899年、カジノを備えた高級ホテルとして建てられた。
ところが、この建物がホテルとして使われることはなかったという。孤児院になった理由とは。
ところが、当時のオスマン帝国…