中東のアラブ首長国連邦(UAE)を訪問したローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は5日、首都アブダビの屋外競技場で大規模なミサを開いた。法王は「友愛の心で他者を気遣い、平和を守ろう」と呼びかけ、数千人のイスラム教徒を含む約18万人が聴き入った。
バチカンメディアによると、UAEではキリスト教の礼拝が認められているが、屋外の会場でミサが行われるのは異例。会場には巨大な十字架が設置され、法王の姿が大型スクリーンにも映し出された。
法王は3日間の訪問中、イスラム教の指導者らと面会したほか、4日には宗教間会合で演説。「どんな形であれ暴力は非難される。我々は宗教が暴力やテロリズムを許すことがないよう注視する必要がある」と述べた。「特にイエメン、シリア、イラク、リビアに思いをはせている」と語り、紛争が続く国などでの一刻も早い戦闘終結を訴えた。(ローマ=河原田慎一、ドバイ=高野裕介)