森友学園の公文書改ざん問題など、霞が関で相次いだ一連の不祥事では「官僚が政治家を忖度(そんたく)しすぎだ」との批判が高まりました。政官関係はどうあるべきなのか。経済産業省出身で、官僚時代から霞が関改革の必要性を訴えてきた「青山社中」の朝比奈一郎・筆頭代表(45)に聞きました。
――一連の不祥事をどうみていますか。
「官僚は、きちんと政権運営されるように様々な局面でぎりぎりのことはやっている。それでも、法治国家というルールを犯さないのが絶対条件。ぎりぎりをやるのがうまいのが官僚。けれど、財務省による決裁文書の書き換えは完全に犯罪だと思う」
――背景には内閣人事局や官邸主導の行きすぎがあるという指摘もあります。
「官僚制の最大の問題は縦割り。高度成長期には、各省庁が牽制(けんせい)し合うことで伸びていったが、日本が沈んでいく中では大きな方向性を決断しなければ進んでいけない。だから、霞が関にヘッドクオーター(司令部)としての総合戦略本部が必要だと言ってきた。物事を動かすうえで、司令部が人事を握るのも、それで忖度が生まれるのも当たり前。ただ、ルールを破った不祥事の話と人事制度とは切り離して考えるべきだ」
――政官関係で変えるべきとこ…