日本航空の副操縦士が乗務前の飲酒でロンドンの警察当局に逮捕された事件で、日航は16日、副操縦士が社内のアルコール検査では息を検知器に吹きかけず、意図的に不正を行った、などとする報告書を国土交通省に提出した。機長2人も相互確認を怠ったと認めた。同省を訪れた赤坂祐二社長は「再発防止策を迅速かつ的確に実行したい」と話した。
車で出勤してるなら…飲酒検査、航空会社の緩い危機意識
拘束のJAL副操縦士、社内呼気検査を不正にすり抜けか
JAL副操縦士、英で拘束 乗務前に基準超すアルコール
日航の副操縦士はロンドン・ヒースロー空港で10月28日、乗務前に現地の基準値の10倍以上のアルコールが検出され英国当局に逮捕されたが、直前の社内の呼気検査では検出されなかった。このため国交省は、詳しい経緯について日航に報告書の提出を求めていた。
日航は、副操縦士と対面でアルコール検査をした2人の機長から聞き取りを実施。その結果、検査時に副操縦士が2人と距離を置こうとしていたことや、副操縦士が検知器に息を吹きかける様子の確認を2人が怠っていたことが判明。検査に使った「簡易型」の検知器では不正ができることも確認できたことから、「必要な呼気を検知器に吹きかけず、意図的に不正な検査方法で検査を行ったと認識している」と結論付けた。副操縦士が「個人的な悩み」を抱えて過度な飲酒をした可能性も指摘した。
日航は再発防止策として、国内…