現代美術を専門とする美術館の先駆けだった東京・北品川の原美術館が、2020年12月末で閉館することになった。美術館が22日発表した。築80年になる建物の老朽化などを考慮したという。
原美術館は1979年、実業家の原俊夫・前館長が、祖父の私邸を改築して開館。東京国立博物館本館を手がけた渡辺仁氏の設計で、白を基調としたモダニズム建築で知られる。ただ古い建物で、公共建築としてはバリアフリーの観点などからも問題があると判断したという。
ウォーホルや草間彌生ら国内外の絵画や立体作品などを収集し、所蔵は1千点を超える。88年には、群馬県渋川市に別館「ハラ ミュージアム アーク」(磯崎新氏設計)を開館。美術館によると、2021年から「原美術館ARC(アーク)」と別館の名称を変え、活動を集約していくという。
2館は公益財団法人「アルカンシエール美術財団」が運営。原氏が理事長を務めている。(森本未紀)