見た目は普通のビルだけど、一歩入るとそこは美術館だった――。名画の登場人物に扮した写真作品で知られる美術家・森村泰昌さん(1951年生まれ)が11月3日、大阪・北加賀屋に私設美術館「モリムラ@ミュージアム(M@M)」をオープンさせた。海外でも個展を開くなど国内外で活躍する森村さんが、この美術館に込めた思いとは? 大阪メトロ四つ橋線の北加賀屋駅から北西へ徒歩6分ほど。大通りから横道へ入り、公園や住宅が並ぶ通りを進むと「M@M」の看板が見えてくる。見た目は普通の古い事業所で、気付かず通り過ぎてしまいそうなほど。 実は、ここは家具店だった。築40年の2階建てビルを改修し、外観はほぼそのままに、内部を本格的な展示空間へと生まれ変わらせたのだ。 美術館をつくったのは、この建物との出会いがきっかけだった。かつて造船業で栄えた北加賀屋は、近年アートによるまちづくりが進む。森村さんは過去に北加賀屋で映像作品を撮影するなど、地域に縁があり、芸術文化支援に取り組む地元の不動産会社「千島土地」(芝川能一社長)の紹介でこの建物を知った。「見た瞬間、ここは美術館になるとイメージがわいた」と森村さん。芝川社長の協力を得て、着想から1年で開館にこぎ着けた。 ガラスの扉を抜けて内階段を上ると、そこはまさに「美術館」。400平方メートルの2階部分を使い、白壁の展示室2部屋、映像作品を上映するミニシアター、森村さんの書籍や資料を集めたライブラリーに、グッズを販売するミュージアムショップもある。「一見何の変哲もない空間が、あるところでガラッと変わる。コントラストをつけることで、入った時の驚きが生まれるよう意識した」 今後は年2回ほどのペースで企画展を開き、トークやレクチャーなども開催する予定だ。M@Mを「美術館のあり方を考える実験室のようなもの」と位置づける。「大きな美術館ではできない独自の企画を打ち出して、美術館のあり方を問うていきたい。その実践を通じて、多種多様な人がこの美術館を訪ねてくれるのが理想です」 ■80年代テーマに開館… |
普通のビルなのに…「ゴッホそっくり」森村さんが美術館
新闻录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语
相关文章
幻聴アート、男の声に絵筆を導かれ 「迷いがなくなる」
シャネルやディオール彩る伝統の技、私でも 世界が一変
男性社会に飛び込んだ女性画家 「遅れる牛」に自ら重ね
シャガール、ゴッホ、モネ… 所蔵する建材会社の名は?
焼き溶かす快感 人生を変えた立体アート
米国の美術館も大盛況 日本の竹工芸が海外で高い評価
新パン線にアボカ島…朝ドラでも注目、ミニチュア世界
現代サーカス、心躍る過疎の山村 廃校舞台に聖地づくり
クリムト展、来場者20万人超え 黄金の作風で魅了
苦境の美術館・博物館を救うパトロンは…6千万円調達も
安藤建築の原点がここに 神戸でギャラリー開館へ
マネ最晩年の傑作も来日 コートールド美術館の企画展
3千いいね!写真で表現 カメラマンが着目したのは瞳
「時間」をアートにすると…「具体」元メンバーの現在地
「男性優位な美術業界に一石」 津田さん池上さん語る
国内初の公立現代美術館の30年 オノ・ヨーコの作品も
ビルの壁画アートに脚光 きっかけは女性愛好家 名古屋
クリムト、作品に込めた「人生」 黄金様式と風景画
大賞に「その女、ジルバ」 「水準高い」手塚治虫文化賞
しわくちゃにした紙が星空に… 虚と実の間に広がる世界
しわくちゃにした紙が星空に… 虚と実の間に広がる世界
光る海の美しさ 水中写真の公募展、受賞作品決まる
あいちトリエンにも#MeTooの潮流 作家男女半々に
一歩ごと景色変わる「旅」 旧生糸検査所に散歩においで
クマのプーさん展に10万人 挿絵原画200点超を展示










