「息子さんががん」などと息子の病気をかたるうその電話を受け、金をだまし取られる被害が今月、静岡県富士市や富士宮市で少なくとも3件起きた。県警が注意を呼びかけている。
富士署によると、21日には富士市の男性(88)が現金700万円をだまし取られた。午前9時半ごろ、男性宅に息子を名乗る男から「今病院にいる」と電話があり、医師を名乗る男から「息子さんは喉頭(こうとう)がんの疑いがある」と言われた。そして息子を名乗る男に「会社のキャッシュカードをなくした。今日中に支払いをしなければいけない」と言われ、自宅近くの路上で会社の上司の息子を名乗る男に2回、計700万円を渡したという。帰宅後に息子に電話し、発覚した。
同署によると、「息子の具合が悪くなった」との電話で12日には富士市の女性(81)が現金400万円をだまし取られた。また、富士宮署によると、「息子さんががん」との電話で21日には富士宮市の女性(70)が現金200万円をだまし取られたという。県警生活安全企画課の坂田幸隆管理官は急に病気や会社の大事な書類をなくした話をされると冷静に判断できなくなるといい、「いつでも詐欺の電話があると思い、金を払う前に本人の連絡先に連絡を」と話している。(宮川純一)