日産自動車の西川広人社長は26日、国内外の事業所や工場をネット中継でつなぎ、前会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)の逮捕で混乱を招いたことを謝罪した。「モチベーションを下げないでほしい」と求めたが、製造現場からは「納得できない」と怒りの声が相次いだ。
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午前9時半に始まった西川社長の説明は、約1時間に及んだ。横浜市西区の日産グローバル本社で説明を聞いた40代の男性社員は「不正で会社を汚させない、輝きを取りもどす、というメッセージが感じられたのは良かった。会社のイメージを改善できる改革をしてほしい」と話した。
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約2600人が働く神奈川県横須賀市の追浜工場では、チームごとにテレビの画面を見つめた。昨年以降に相次いで発覚した品質検査をめぐる不正の舞台にもなっただけに、従業員らは動揺を隠せなかった。
50代の女性社員は不安そうな表情を浮かべつつ、「現場の私たちは品質を守ろうと仕事をしている。そのことは社会に理解してもらいたい」と語った。
期間工として働く男性はこの日の社長の説明に「納得できない」。別の男性社員(23)は「一番上が(不正を)やっていたら、下はついてこない。本人が説明をしてほしい」と怒りをあらわにした。
今春入社したばかりだという男性社員は「会社にゴーンさんがいることは、自分にとって誇りだった」と複雑な胸の内を明かした。新入社員同士の会話では、事件について持ち出せない雰囲気があるという。
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