国際宇宙ステーション(ISS)から実験試料を積んで地球に帰還した小型回収カプセルの本体が27日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の筑波宇宙センター(茨城県)で公開された。
カプセルは11日、大気圏に再突入後、小笠原諸島・南鳥島沖に着水。船で回収され、海路と陸路で同センターに運ばれた。直径84センチ、高さ約66センチの円錐(えんすい)状で、重さ約180キロ。
再突入時には最高約2千度の高温に達するため、カプセルの底は「アブレーター」と呼ばれる熱防護材で覆われている。樹脂が溶けて熱が内部に伝わるのを防ぐ仕組みで、公開されたカプセルは、過酷な「旅路」を物語るかのように黒く焼け焦げ、焦げた臭いが残っていた。
田辺宏太・小型回収カプセル開発チーム長は「計画通り回収でき、100点以上をあげたい。有人宇宙船につなげていけるよう実績を積み重ねていきたい」と話した。(石倉徹也)