キリンビールは28日、国産ウイスキー「キリンウイスキー 富士山麓(さんろく) 樽熟原酒50度」の販売を来年3月下旬ごろに終了すると発表した。炭酸水で割って飲むハイボールの人気を背景に原酒不足が深刻化している。参考小売価格は税込み1700円と、他社の国産ウイスキーと比べて値頃感があり、今年1~10月の販売数量は前年比14%増加していた。
8月から売り出した高価格帯の「富士山麓 シグニチャーブレンド」(参考小売価格は税込み5400円)は販売を継続する。
販売を終えるウイスキーは「富士御殿場蒸溜(じょうりゅう)所」(静岡県御殿場市)で製造され、樽(たる)で長時間寝かせた原酒も含まれていた。キリンビールは「限りある原酒を最大限に生かす」としている。原酒のストックを増やすために蒸留所への投資も検討中だ。
サントリースピリッツも国産ウイスキー「白州12年」と「響17年」の販売を休止している。(長橋亮文)