大阪市西成区の歓楽街・飛田新地で売春に使われた店舗の賃貸料を暴力団側から受け取ったとして、大阪府警は3日、大阪府内を中心に激安スーパーとして知られる「スーパー玉出」の創業者で、不動産会社「玉出ホールディングス」社長の前田託次容疑者(74)を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の収受)容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。
府警は今年5月、飛田新地にあった店舗「銀河」(閉店)で、女性従業員に売春相手を紹介したとして、指定暴力団山口組系極心連合会(大阪府東大阪市)の元幹部やその内縁の妻らを売春防止法違反(周旋)容疑で逮捕し、捜査を続けていた。
捜査関係者によると、同店は元幹部の内縁の妻が2014年ごろから実質的に経営していたという。この店舗については、前田容疑者側が所有権を持っていたとみられる。府警は、前田容疑者が売春に使われると知りながら店舗を貸し、売り上げから賃料として得ていた疑いがあるとみて、逮捕した。
前田容疑者はスーパー玉出を1978年に創業。きらびやかな電飾の店舗が特徴で、激安を売りに大阪府と兵庫県に40店以上を展開していたが、今夏にスーパー事業を売却していた。現在は、別会社が運営している。