神奈川県大井町の東名高速で昨年6月、一家4人が乗るワゴン車を「あおり運転」で停車させ、大型トラックによる追突事故で夫婦を死なせたなどとして、危険運転致死傷罪などに問われた石橋和歩被告(26)=福岡県中間市=の裁判員裁判の第4回公判が6日、横浜地裁であった。事故後に山口市で石橋被告から同様にあおられた男性が証人として出廷し、「夫婦が亡くなるような事件に関わったのに、その数カ月後に私にあおり運転をした。何か思うことはなかったのか」と訴えた。
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男性によると、石橋被告は昨年8月、男性の車の前に入って減速を繰り返し、幅寄せして停車させた後、ドアノブを引っ張るなどし、「降りてこいちゃ」「出てこいちゃ」と怒鳴った。男性の通報で駆けつけた警察が対応していた際も、石橋被告は「殺すぞ」と何度も声をあげ、「俺は人を殴るために生きている」と叫んだという。
検察側はこの事件で、石橋被告を強要未遂罪で起訴している。弁護側はドアをたたいたことなどは認めているが、「降車は強要していない」と無罪を主張している。(飯塚直人)