ベトナムの15人が10月末、東京―大阪を結ぶ観光の「ゴールデンルート」とされるツアーに参加していた。奈良市の東大寺では修学旅行生らに交じり、大仏を見学するなどした後、向かったのは大阪市中心部・心斎橋のドラッグストアだ。ツアー客はスマートフォンに保存した目当ての商品の画像と突き合わせ、薬や粉ミルクなどを買い込む。1人の購入額は1万~3万円ほど。数年前の中国人観光客で注目された「爆買い」の光景とは違ってきている。
花街のごひいきはインバウンド 1泊100万円の宿坊も
自営業で30代のトラン・ダイ・ハイ・フックさんは妻と参加し、「カメラや家電も買うつもり。日本食も食べたいし、いい写真も撮りたい」。安い飲食店が集まる市内・新世界の居酒屋で夕食をとり、地元の雰囲気を堪能した。後日は、新幹線をJR名古屋駅―三河安城駅の1区間だけ乗る体験もした。訪日客の旅の過ごし方は多様化してきた。ツアーを企画するフリープラス(大阪市)の柿内将也・社長室長は「もちろん買い物も目的の一つだが、果物狩りや雪遊びなど日本でしかできない体験が人気になっている」。
祇園でお座敷遊び体験のほかに…