日産自動車が前会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)による役員報酬の過少記載などの不正行為の内容を、提携関係にある仏ルノーに説明したことが11日わかった。社内調査で確認した内容を、日産側の弁護士からルノー側の弁護士に説明したという。
瀕死の日産に劇薬、圧倒的存在に ゴーン流に湧いた疑惑
緊急特集「ゴーンショック 日産会長逮捕」
ルノーはゴーン前会長の不正に関する情報の提供を日産に求めていたが、日産は「捜査中」を理由に拒んできた。だが、ゴーン前会長が10日に東京地検特捜部に起訴されたことを受けて、情報提供に応じたとみられる。
日産の西川(さいかわ)広人社長はゴーン前会長が逮捕された11月19日の記者会見で、ゴーン前会長の不正行為として、役員報酬の虚偽記載、投資資金の不正支出、経費の不正支出の3点を挙げた。日産はゴーン容疑者の会長解任を決めた同22日の臨時取締役会で、ルノー出身の取締役2人に社内調査の結果を説明しており、これと同程度の内容を弁護士を通じて説明したという。日産の担当者がルノーの取締役らに不正内容を説明しようとしたところ、ルノーは「弁護士を通してほしい」と拒否したという。