東名高速で「あおり運転」をして一家が乗るワゴン車を停車させ、大型トラックによる追突事故で夫婦を死なせたとして危険運転致死傷罪に問われた石橋和歩被告(26)に対し、横浜地裁は14日、懲役18年(求刑懲役23年)の判決を言い渡した。
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判決後、裁判員を務めた相模原市の会社員女性(45)が記者会見に応じ、「前例のない事件。みなで意見交換し、まとめていった」と裁判を振り返った。
裁判員に選ばれた際は知識がなく不安だったというが、検察、弁護側からの資料や、ドライブレコーダーの映像を参考に理解を深めていったという。
裁判では、危険運転致死傷罪の適用が最大の焦点となった。女性は「法律にあてはめるとどうしてこうなるのか、もっと融通がきかないかとも思った」と判断の難しさを語った。
法廷では遺族が重い量刑を求めた。女性は「個人的に被害者に寄ってしまうなか、みなと話し合い、公平に見なければいけないと思った」と述べ、「毎日葛藤しています。まだ整理がついていません」と複雑な心境を明かした。(杉浦幹治)