昨年7月の奈良市長選で現職の仲川げん氏(42)に敗れ、次点だった弁護士の山下真氏(50)らが奈良県選管を相手取り「開票手続きに不正があった」として当選の無効などを求めている訴訟で、大阪高裁の山下郁夫裁判長ら裁判官2人が17日、奈良市選管で保管されている無効票の一部を検証した。
検証は民事訴訟法に定められた手続きで、裁判官が直接調べた内容を証拠にできる。選挙に関する訴訟で裁判官自らが選管に出向いて検証するのは異例だ。
高裁は検証内容を公表していないが、検証後に会見した山下氏によると、山下裁判長らは無効票(2951票)のうち627票を調べ、立ち会った山下氏と県選管双方もそれぞれ独自に票を点検。山下氏側は「山田まこと」「山中まこと」など山下氏の有効票とされるべき票が40票あったと裁判長らに主張したという。
一方、県選管の中川清孝委員長も会見。「すべて無効票だった。開票手続きは適正だった」と述べたが、独自点検の詳しい内容は公表しなかった。山下氏によると、県選管は「井川げん」など6票が「仲川氏の有効票となる可能性がある」と主張したという。県選管事務局はこの主張について、「開票手続きに不正はないが、念のため6票について主張した」としている。
山下氏は、開票作業をしたとい…