東京都多摩市で7月、建設中のオフィスビルで男性作業員5人が死亡するなどした火災で、警視庁は21日、適切な防火対策を怠ったなどとして、施工者の中堅ゼネコン「安藤ハザマ」(東京都港区)社員の現場責任者(48)や下請けの作業員ら計6人を業務上過失致死傷と業務上失火の疑いで書類送検し、発表した。
捜査1課によると、全員容疑を認め、現場責任者らは「しっかり安全管理をして指導監督すべきだった。工期を優先していた」。作業員らは「作業手順を確認したり火に注意したりすることを怠っていた」などと供述しているという。
書類送検容疑は7月26日午後1時50分ごろ、多摩市唐木田1丁目の建設中のビル地下3階で、断熱材のウレタンが可燃性だと知りながら適切な防火対策を怠り、柱の溶断作業中にガスバーナーの火がウレタンに直接当たって火災が起こり、44~68歳の5人を死亡させ、19~72歳の39人にやけどなどの重軽傷を負わせたというもの。ウレタンへの引火でガスが発生し、一気に燃え広がったという。
警視庁は、6人のうちガスバーナーを使っていた下請けの作業員(51)ら3人はウレタンの一部をはがすなどの対策を怠り、安藤ハザマの現場責任者らも作業手順を確認して立ち会うなどの適切な指導を怠ったと判断した。