警視庁は21日、野方署が20代の男性を窃盗容疑で誤認逮捕していたと発表した。防犯カメラに映っていた犯人とみられる男と特徴が似ていることを根拠としたが、詳しい解析で別人だとわかった。同庁は19日に男性に謝罪したという。
刑事総務課によると、10月6日午前5時ごろ、東京都中野区のコインランドリーで女性用衣類が盗まれる事件があり、野方署員が翌日、店内の防犯カメラの画像をもとに男性を逮捕した。男性は送検後の同10日に釈放された。
男性は一貫して容疑を否認していた。副検事が12月10日、警視庁に画像鑑定を求め、画像の男とは別人だったことがわかった。同庁の調査で、指紋などによる確認や事件前後の行動確認などの捜査をしていなかったことも判明。男性は事件当時、店にいなかったという。容疑者は逮捕されていない。
上原智明・刑事総務課長は「心からおわび申し上げる。本件を教訓に指導を徹底する」とコメントした。