みずほフィナンシャルグループ(FG)は、「QRコード」をスマートフォンで読み取って決済するサービスを2019年3月にも始める。3メガバンクでは初のサービスだが、IT大手やコンビニなどがすでに参入。みずほは金融大手の信用力を武器に普及をめざすが、思惑通りに進むだろうか。
みずほ銀、LINE新銀行助けても「十分なメリット」
QRコード決済は楽天やLINEなどが先行し、みずほは後発だ。坂井辰史社長は朝日新聞のインタビューに、「(新しい決済手段に対して)保守的な層にしっかりと根付くシステムにする」と説明。データ保護や反社会勢力の利用排除を徹底し、安全性で先行組と差別化する考えを示した。
QRコード決済では、店側がタブレットなどで表示するQRコードを、客が自分のスマホで読み取るなどして精算する。店は新たなシステムの導入コストが低く、クレジットカードの普及率が低い中国などで広がった。
みずほの新たなシステムでは、専用アプリをスマホに入れ、自分のみずほ銀行の口座からお金をスマホにチャージする。お金は「デジタル通貨」として店とやり取りする。デジタル通貨を口座に戻せば、現金でATMから引き出せる。また、同じアプリを入れている人どうしならば、デジタル通貨のまま素早く送金も可能だ。
決済や送金の利用は無料で、加盟小売店がみずほ側に支払う手数料もクレジットカードの手数料より低くして、店側の利用を促す。全国約60の地方銀行も参加する予定という。多くの地銀を巻き込み、利用者や利用地域を増やすことで、存在感を高める。坂井氏は「コスト競争力のあるしくみをつくる」と話す。
みずほは顧客の利便性を高める…