自衛隊と中国軍の偶発的な衝突を避けるための「海空連絡メカニズム」に関する日中防衛当局の初会合が26、27の両日、北京で開かれた。メカニズムは6月に運用が始まったがホットラインは開設されていない。今回も「調整を加速する」までにとどまり、結論は持ち越された。
日中双方の発表によると、会合ではメカニズムの運用状況について協議し、効果的に運用されているとの認識で一致。次回会合を来年、日本で開催することでも合意した。防衛省幹部は「今後につながる会合になった」と評価する。
ただ、中国は、ホットライン開設には「日本の姿勢を見極める必要がある」(中国軍事筋)と慎重だ。今月、日本政府が改定した防衛大綱で中国への警戒感を強めたことが背景にあり、中国国防省の呉謙報道官は27日の会見で、防衛大綱について「全く容認できない。日本は平和憲法の制限を破り軍備を拡大している。我々は専守防衛の政策を厳守することを求める」と批判した。(冨名腰隆=北京、藤原慎一)