ブランド牛がひしめく九州で後れをとっていた福岡県の畜産業界が、「博多和牛」の品質向上に本腰を入れる。関係団体が連携し、生産者への技術指導などに取り組む「県肉用牛振興協議会」を11月に設立。4年後の「和牛オリンピック」への出品をめざす。
協議会は、雌牛を飼って生まれた子牛を出荷する繁殖農家、子牛を大きく育てる肥育農家の両団体と、JA、県などでつくる。肥育農家が旗振り役を務め、参加農家は約120戸。設立目的に掲げるのは、博多和牛のブランド力強化だ。
11月19日にあった協議会の設立総会で、県肉用牛生産者の会の鈴木雅明会長は「福岡県の畜産の発展のため、繁殖と肥育の力を合わせ頑張っていきたい」と決意を述べた。
博多和牛は、牛海綿状脳症(BSE)騒動後の牛肉消費の落ち込みを取り戻そうと、肥育農家が2005年に商標登録。登録農家が1年以上肥育することや、肉質が3等級以上であることなどが要件だ。昨年度は42戸が3千頭余りを出荷。高級店での取り扱いも増えている。
県内には子牛市場がなく、博多和牛は九州各県から子牛を購入して育てる例が多かった。だが、近年は繁殖農家も増えた。昨年度は102戸が約3300頭を飼育するまでになり、昨年8月に繁殖農家の団体もできた。
それでも「和牛王国」の九州での出遅れ感は否めない。「和牛オリンピック」とも呼ばれる5年に1度の全国和牛能力共進会に九州で唯一参加していなかったが、昨年9月の大会で、初めて肥育牛2頭を出品。1頭は最高レベルのA5ランクと評価されたが、鈴木会長は「他県の技術力の高さを改めて感じた」という。
今後の課題は、肥育農家と繁殖…