《いしや~きいも~》
窓の外から聞こえる声に、ついつい反応してしまう。熱々の冬の味覚に引かれ、覚悟を決めて寒空のもとへ――。だが最近は、焼き芋がスーパーやコンビニ、デパートなどで、気軽に買えるようになった。支えているのは技術の進化だ。
大阪市淀川区のスーパー、セントラルスクエア西宮原店の青果売り場には、甘い香りが漂っていた。焼き芋の焼き上がりが近づいている。運営するライフコーポレーションによると、全国271店のうち203店でオーブンを導入して焼き芋を販売している。最近の流行は、「紅はるか」や「安納いも」など、複数品種の食べ比べだ。
イモの生産や流通、研究などの関係者でつくる「いも類振興会」によると、2010年ごろには紅はるかや安納いもなどの「ねっとり系」の品種が出回り、焼き芋人気に火が付いた。鈴木昭二理事長は「だんだん過熱している感じがする」。
■技術の進歩が市…