官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)の田中正明社長ら民間出身の取締役9人全員が、28日に開いた臨時株主総会後に辞任した。この日の株主総会で、JIC子会社の官民ファンド、INCJの勝又幹英社長がJICの取締役を兼務することも正式に決めた。
田中氏らは高額報酬問題を機に所管官庁の経済産業省と対立。田中氏が10日の記者会見で、取締役11人のうち9人が残務整理がつき次第、辞任すると発表していた。田中氏ら代表取締役4人と、取締役会議長の坂根正弘氏(コマツ相談役)ら5人の社外取締役が一斉に辞任した。
経産、財務両省出身の常務取締役2人は留任して代表権を持つことになったが、会社法は3人以上の取締役を置くよう定めているため、勝又氏がJIC取締役を兼務して取締役を3人にすることにした。(栗林史子)